対人モード

10代は対人恐怖で終わってしまったけれど、20才ぐらいに1度不適応を起こした後は、ずいぶん楽になった。それなりに人付き合いもするようになった。だんだん適応度がは上がっていった。


診断されたあとに自覚したのだけれど、人と話すときは無意識にモードを切り替えている。まぁ誰しもやっていることだろうけれど、問題は、自分の意志や感情がリアルタイムに把握できない、ということ。にこやかにぺらぺら喋ったあとで、家に帰って落ち着いて、しばらくしてやっと素に戻って自分がどう思っていたかわかって、勝手に「はい」と返事したことを後から断ったりすることがよくあった。人と接すると自働でモードに入ってしまうことに困っていた。外から見たら「八方美人」とか「強い人に服従している」という風に見えていたらしい。


定型の人はある程度意識的にモードを切り替えていて、かつ自分の感情も同時に把握しているように見える。


モードのおかげである程度適応できたのはよかったし、そのおかげで楽しいこともあったけれど、自分の内面がついてこないというのが問題だった。ドナ・ウィリアムズの「ドナの結婚」は自分の素を取り戻そうとするプロセスが書かれていて共感できるところが多かった。


その後、二次障害の結果対人モードは発動しなくなってしまって、人と対応するときに挙動不審になったりすることが増えてしまって、なくなってみて初めて、あれはそれなりに役に立っていたのだと思ったり。でも、自分の意志や感情をこまめにチェックできるようになったのはよかった。


でも、初診のとき1発でよく見抜いてもらえたと思う。自分でもASとは思えずADDだと思っていたのに。それともうまくやっていると思っているのは自分だけで、そうでもなかったのかもしれないけれど。