「自閉症スペクトラム生き方ガイド」

めずらしく11時過ぎに眠れたと思ったらこんな時間に目が覚めてしまった。
自閉症スペクトラム生き方ガイド」を読み始めている。「自己権利擁護」と「障害表明」がこの本の2大テーマのようなんだけど、「自己権利擁護」という言葉があまり好きではないなぁ。社会運動みたいなイメージがある。
本にも書いてあるんだけど、

自己権利擁護は、自分の望むことや自分に必要なものに対処しながら行われることである。

自分のニーズをどう満たしていくか


環境や対人関係などにおいて自分のニーズを自覚し、実現するために適切な戦略を練り、実行すること、だと理解した。私がこの力が足りないのではないか、自分が自分のためにこの選択肢のほうがよい、と思ったことは周囲に反対されたからという理由で取り下げるのではなく、むしろ周囲を説得すればよいのだと気づいたのは、半年ぐらい前だ。2/3年齢説がしみじみと身にしみる。
発達障害にまったく理解のない病院に通い続けるのをやめて、元の専門の病院に戻る過程で、「私はこっちに通いたい」「私の通院先なのだから私が選んでいいはずだ」と強く思って、それまでそういう風に意思を通した経験が少ないなと思った。


本の話に戻ると、
1章 対人スキルにまつわる話
2章 自己権利擁護のスキルを6ステップで身に着ける話
3章 IEPを子どもが主役となって利用する話
4章 自分で自分のケースマネージャーになる
5章 同性愛社会や聾社会に学び、支援者との関係を見直す話
6章 障害表明を焦点においた話


2章、4章、5章が特におもしろいと感じた。当事者による当事者のための本ということで親御さんには読まれにくいかもしれないけれど、いろいろな立場の人に読んで欲しい。


「障害表明」は単なるカミングアウトとは違うみたい。自分のニーズを満たす過程で必要なら傷害についても適切に相手に伝える、といったような感じ。確かに「私はアスペルガー症候群です」と言ったところで相手によっては「だから?」という結果になることは多くて、「いろいろな音が混ざる環境だとパフォーマンスが著しく落ちるので、別の部屋で仕事をしてよろしいでしょうか/耳栓をしてよろしいでしょうか/その他代替案」というアプローチが、自己権利擁護のための障害表明なのだろう。


でこの本はきちんと読み込むべき大変いい本だと思えたのだけれど欠点があって。
行間がつまっているため文章が頭に入りにくいのだ。数えてみたら35行あった。ページ周囲の余白はそこそこある。近くの棚にあったぶどう社の「自閉症ー成人期にむけての準備」は30行。代わりに余白は少なめ。こちらの本は読みやすかった記憶がある。
LDの人にも読みやすいように配慮してますと言う花風社ほどではなくても、もう少し「読みやすさ」を考えていただけるとありがたいなと思った。内容が難しく要約があればいいのにと思うぐらいなのに、レイアウトで更にハードルが上がっている。本好きの私でも数ページごとにダウンしている。


線を引きながらがんばって読んでいる。とりあえず2章は読み終えた。次は4章と5章かな。まとめがここに書けるようにがんばります。


自閉症スペクトラム生き方ガイド
自閉症スペクトラム生き方ガイドスティーブン M.ショア 森 由美子

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