TODOリストを使えるようになるまで

オンラインのリストサービス、check*padを愛用中。さくさくの操作性が良し。
作業が終わって、チェックをつけて、やり終わったTODOの色が薄くなってさっと移動するのを見るとわくわくする。


でも、こういうことができるようになるまではいろいろあった。
まず記憶しているのは7年前。やらないといけないことが山のようにあって、コピー用紙の裏に羅列。それを見ると嫌気がさすばかりなのと、やり終わって線を引いて見た目が悪くなり、完了/未完了の項目が紙の中でごちゃごちゃになり、いつしか紙ごと忘却の彼方へ…ということが多かった。


ASの診断がついて、ADHD的生活の工夫を意識するようになって、PCでTODOを管理しようと思った。テキストに書いて、終わったら消してみたり、Excelに書いてみたり。これが5年前。その頃わかったことは、TODOを書いて実行に移すためには、更に細かい作業に分解しなければいけないということ。


例えば「○○さんに手紙を書く」というTODOは、この全部をこなして始めて「完了」。

  1. 本文を書く
  2. 住所を調べる
  3. 宛名を書いて、切手を貼る
  4. 郵便局に行く


調子が悪いときは、1に3日、2-3に1日、しばらくして4、というようなこともあった…。
TODOが自分宛の命令のように感じるせいか、一つ一つの作業に終わったという区切りを感じ取れないせいか、なかなかうまくいかなかった。〜が終わったら自分にご褒美、というテクニックも、自分に対して使うのは難しかったり、うまく相応の報酬を対応できなかったりした。この辺りのことは当時のADHDの知り合いと「あるある」というノリでよく話し合った。


check*padは、「作業の終了」がリストの移動と色変化という形で目に見えるせいか、終わった感が感じられて、それが報酬となっている。階層構造が扱えないのが残念。リリースされてしばらくの頃に、(珍しく)開発者の方にメールしたんだけどな。定型発達の人にはあまり必要な機能ではないのか。そんなことはないと思う。


昨年「Lifehacks」という概念が出てきてうれしかった。自分が何年も前から悩んで工夫してきたジャンルにかっこいい名前がついて、皆それぞれのノウハウを公開するようになったから。これまで皆は普通にできているんだろうと思っていて、似たような悩みを持つ人としか共有できなかった。
レベルは違うかもしれないけれど、苦手感があることは同じなんだとわかったことは収穫だった。(→発達障害フレンドリー)


ところで、文字と実際の行動を関連付け、文字自体に操作をすることで行動の完了を表現して実感する。そのために必要なスキルは、やっぱり「想像力」だろうか。それとも抽象と具体を行ったり来たりする力だろうか。