聞いてもらうということ

発達障害は結論を要求するより

 一般的なカウンセリングのセオリーは、「受容と傾聴」と言われる。訴える人の辛さの感情に焦点を当てて、ただ傾聴すれば、「話を聞いてもらった」というだけ安心するという考え方だ。

 だがADHDやAS(アスペルガー症候群)等の発達障害の人は、「ただ話を聞いただけで何も言ってくれなかった」という反応となる。

 発達障害は結論を要求する。「とにかく答えを出してくれ」というの発達障害が医師やカウンセリングに求める特有のニーズだ。

今日まさに診察でこのような経験をしてきたところ。聞いてもらって、一言でまとめてもらったり、質問してもらったりすると、「はまった!」という感じの満足感で胸がいっぱいになる。涙ぐむぐらい。日常生活ではできない体験だからか。
カウンセリングの方の臨床心理士さんは、きちんと線を引いて踏み込んでこないので実は少し物足りなさを覚える。

今ふと思ったのだけれど、こういうコミュニケーションの成功体験を普段から積めないのが問題なのかもしれない。なんせ自分の本当に思ったことを言葉にするのに時間がかかる。最近も半年前のつらかった出来事をようやく表現できたとこ。ちなみにその時の不調は長引いた。言語化できないからだと思っている。証明は出来ないけれど、同じ体験をしても、言語化できる/できないで自分に対する負担は違ってくるのではないか。