「自閉症スペクトラムものがたり―「心の理論」の不調を知るために」

この本は、心の理論の不調が障害を生み出しているという立場。これは珍しいのでは。
「心の理論の不成立、未獲得状態、不調」が一次障害であり、「対人関係の困難、コミュニケーションの困難、想像性の欠如」といういわゆる「三つ組」は二次症状だとしている。
自閉者も心の理論を遅れて身に付けるが、乳幼児のころから身に付ける定型発達者とは異なったものになってしまうとのこと。


自閉者の心の読めなさ、字義通りの解釈を、外国人の日本語学習"初級者"に例えて説明してあり、異文化だということが定型発達者にも理解しやすいような表現となっている。


自閉者の複数の著作から、主張に適した記述を引用してありわかりやすい。ただ、本の構成は、やや読みにくさを感じさせる。


ちなみに登場するのは、
ドナ、テンプル、ウェンディ・ローソン
ニキリンコ、森口奈緒美、泉流星、藤家寛子など、第1-2世代?の自閉者たち。


もう少し消化できたらまた書く予定。

自閉症スペクトラムものがたり―「心の理論」の不調を知るために
自閉症スペクトラムものがたり―「心の理論」の不調を知るために東條 惠


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